母は私に結婚式の会場の下見に行こうと言った。
なぜだか親戚一同で私達は都内のホテルをまわることになる。
いくつかまわったあと、
ある六本木のホテルにはいる。
そのホテルはとても豪華で、人が溢れかえっていた。
会場は5階だということで、
まず、私と親戚のおばさんが先にいくことになり、
私達はエレベーターに乗って5階まで行こうとする。
しかし、エレベーターは5階まで行かず
3階でとまりドアが開いた。
すると、そこはのどかな田舎街がひろがっていた。
親戚のおばさんはびっくりした様子もなく、
目の前にある歩道を歩き始めた。
かなり早いペースだったが、
私はなぜか彼女についていかなくてはいけないと感じ、
そのあとを急ぎ足でおいかける。
かんかん照りの中、汗がしたたり落ちてくる。
しばらくすると、白くまの親子を見つけた。
こんな暑いところに白くま?と思ったけれど、
親子は小川の水を飲んでいた。
ふと、そこに、見知らぬ男が現れる。
遊び半分で白くまに近づいてゆき、ちょっかいをだすと、
白くまは怒り出して、男を追いかけて襲い掛かった。
私は大変だ!と思い、誰か助けを求めようと振り返ると、
すぐそこに親戚のおばさんが立っていた。
おばさんは言った。
「心の清らかな者だけが白くまがなついてくる」
おばさんのちょっと後ろで女の子が白くまとじゃれあっているのを見かけた。
私も白くまに近づこうとしたが、
どうしても勇気が出なかった。
今の私はあの女の子のような心は持っていない。。。
ふと気づくと、そこは結婚式会場だった。
5階の豪華なシャンデリアのある部屋だった。
親戚のおばさんも何もなかったように
そこに立って、なにやら母と話をしている。
私は結婚をもう一度考え直そうと、そのとき決めた。
※この物語はフィクションです。